第18章 徹の決断
シュリは今、精一杯頑張っているだろう。
そんなシュリに、これ以上頑張れなんて言えない。
他にかける言葉が見付からなかった。
「特にないよ。」
「わかった。じゃあまた連絡するね。」
そう言ってエミリは電話を切った。
今俺がシュリに出来ることはなんだろう。
俺はパソコンでエミリが言っていた"寛解"について調べた。
どうやら、連日抗がん剤を打ち、寛解状態になれば次の治療に進めるようだ。
無菌室から出れば面会も可能…。
出来るだけ、傍にいてやりたい。
しかしそれには、埼玉と長野という距離が邪魔だった。
俺はあることを思い付いた。
シュリに話したら絶対に反対するだろうが…。
翌日、俺は学校を休み、ある場所へ向かった。