第17章 50%の約束
シュリには言わなかったが、実は今あたしは、紫音の家にいた。
電話を切った瞬間、涙が溢れた。
「大丈夫?」
あたしは紫音の胸で泣いた。
「シュリ、やっぱり白血病だって…なんで?なんでシュリなの?」
「そう…。」
「やっとできた親友なのにっ…失いたくないよ…!」
「大丈夫だよ七瀬。白血病は、今は不治の病じゃないから。」
「わかってるけど…っ、嫌な想像ばかりしちゃう自分がいて…。」
そこに、妖精さん…紫音のお姉さんが来た。
お姉さんの事情は紫音から聞いていた。
「七瀬ちゃん、泣かないで?」
「はい…。」
あたしが顔を上げると、妖精さんが一輪の花を差し出した。
「庭に咲いてたの。七瀬ちゃんにあげるね。元気を出して。笑って?」
純真無垢な笑顔に、心が癒された。
あたしは花を受け取った。
「…妖精さん、ありがとう。」
そう言うと、妖精さんはまた庭に戻って行った。