第17章 50%の約束
自分の部屋に戻り、七瀬に電話をした。
検査の結果を話し、明日長野に帰ることを伝えた。
七瀬は泣かなかった。
「シュリ、絶対に大丈夫だから。あたしはシュリが治るって信じてるよ。」
力強い、七瀬の言葉。
「ありがとう。七瀬…。」
「なに?」
「私と友達になってくれてありがとう。」
そう言うと、七瀬は一瞬黙った。
「…なに言ってんのよ!あたしこそありがとう。これからもずっと友達だからね。」
「うん、ずっと友達だよ。」
母から聞いた入院する病院と実家の住所を伝えた。
「夏休みになったら徹とそっち行くね。」
「うん。七瀬…徹のこと、よろしくね。」
「任せなさい。あいつの扱いは慣れてるから。」
「徹の反抗期も毒舌も、七瀬には通用しないもんね。」
そう言うと、七瀬は豪快に笑った。
「それじゃあこれから荷物纏めたりするから…。」
「うん、わかった。シュリ、負けんじゃないよ!」
「うん!私頑張るね!」
「でも、辛くなったらいつでも連絡しておいで。」
七瀬も徹と同じ様に、優しい言葉をかけてくれた。
「ありがとう。」
「それじゃあ、またね。シュリ。」
「うん、またね。七瀬。」
そう言って、電話を切った。