第17章 50%の約束
その後私達は、他愛もない話をした。
「そう言えば、徹の誕生日っていつ?」
「12月10日。シュリは?」
「私は7月10日。ちょうど5ヶ月違いだね。」
「そうだな。」
「あ、後で七瀬に電話しなきゃ。また、泣かせちゃうだろうなぁ。」
「まぁ、あいつは大丈夫だよ。別所もいるし。」
「別所先輩と七瀬、やっぱり付き合うのかな?」
「昨日、昼休みに俺と七瀬が飯食ってたら別所が来て…七瀬が泣きながらお前が白血病かもしれないって話してた。七瀬にも、泣き場所が出来たんだ。だから、大丈夫だろ。」
「そっか…良かった。」
徹が私の左手を手に取った。
「お前、薬指のサイズ何号?」
「多分7号かな?どうして?」
「結婚指輪買う時の参考に。」
「気が早いよー。」
思わず笑ってしまった。
しかし同時に嬉しくもあった。
徹は、私との未来があると信じてくれている気がしたから。
「これから遠距離恋愛になるね。」
「会いに行く。」
「ありがとう。徹、私がいなくてもちゃんと学校行くんだよ?それからご飯もちゃんと食べてね?あと、朝鍵閉め忘れないようにね。」
「わかってるよ。」
徹と過ごした2ヶ月間を思い出す。
短い間に、本当に色々あった。
初めて会った時は、まさかこの人を好きになるなんて思わなかった。
「あ、お前の実家の住所と入院する病院教えろよ?」
「うん、わかった。後で紙に書いて渡すね。」
「シュリ…。」
「なに?」
徹は、そっと私にキスをした。
唇を離し、私を見つめる。
「俺は、何があってもお前が好きだから。辛い時は連絡しろよ。」
「うん、ありがとう。」
私達は、何度も何度も、触れるだけのキスをした。