第16章 発覚
これから先、シュリがどうなろうと自分はいつも毅然とした態度でいよう。
そう思っていたのに、シュリの本音を聞いた瞬間、不覚にも泣きそうになった。
「治らなかったらどうしよう。」
考えないようにしていた事が次々と頭を巡る。
もしも、シュリが白血病だったら?
もしも、治療が上手く行かなかったら?
…もしも、シュリが死んでしまったら。
「…クソッ!!」
やり場の無い感情。
まだ診断も下されていないのに、悪い想像ばかりが頭に浮かぶ。
一番辛いのはシュリなのに。
「俺が今から弱気になってどうすんだよ…。」
そもそも、俺が病院に行かせなければ良かったのか?
シュリの体の変化も、血液検査の結果も、全て無かったことになればいいのに。
しかし、現実は残酷だった。