第2章 出会いの春
「いや、まだ部屋片付いてなくて汚いから…。」
「別に気にしない。」
お前が気にしなくても私は気にするんだ!
と、心の中で突っ込みを入れる。
徹は私の手から鍵を奪うと勝手に開けて部屋に入った。
「ちょ、ちょっと!勝手に入らないでよ!」
慌てて私も中に入った。
徹は私が一目惚れして買った座椅子に座り、スーパーの袋からジンジャーエールを取り出した。
思わず大きな溜め息をついてしまった。
もう何も言う気にならない。
「ねぇ、コップない?」
「はいはい、ちょっと待ってくださいねー。」
私はキッチンからコップを持ってきて徹に渡した。
徹はコップにジンジャーエールを注ぎ、一口飲んだ。
私も冷蔵庫からアイスティーを出してコップに注ぎ、徹の正面に座った。