第16章 発覚
放課後、写真部の部室に行くと小山先輩が駆け寄ってきた。
「明智さん、大丈夫ー?」
どうやら七瀬が昨日、先輩達に私が病院に行った話をしたらしい。
「大丈夫ですよ。」
「無理しちゃダメだよー?」
「はい。ありがとうございます。」
小山先輩がよしよしと言いながら私の頭を撫でて、相田先輩の元へ戻って行った。
窓際に座っていた紫音先輩も私の傍に来た。
「大学祭の疲れが出ちゃったかな?」
「そうかもしれません。でも大丈夫です。」
「そっか。それにしても病院まで一緒に行くなんて…愛されてるねシュリは。」
紫音先輩が笑みを浮かべながら徹を見た。
「うるせぇな。お前には関係ねぇだろ。」
徹は相変わらず紫音先輩に対して攻撃的だ。
紫音先輩は慣れたようだが。
「最近羽山君が可愛く思えるようになってきたよ。」
紫音先輩が徹の頭を撫でた。
徹はすかさずその手を払った。
「気持ちわりぃな。触るな。」
「うん、君はそのままでいいよ。」
「お前にどうこう言われなくたって俺は俺だ。」
紫音先輩は笑いながら窓際の席に戻って行った。
然り気無く、七瀬を連れて。
「七瀬と紫音先輩、付き合うのかなー?」
「さぁ?興味ねーわ。」
徹とイスに座って話していると、桐生先輩が来た。
「明智さん、体調はどう?」
「大丈夫です。」
「そう…なら良いけど。これ、大学祭で撮った写真よ。」
桐生先輩に渡された封筒の中には、大学祭の時にエミリと撮った写真が2枚入っていた。
「一応、エミリちゃんの分もと思って。」
「ありがとうございます!」
笑顔で写るエミリを見て、思わず笑みが溢れた。
夏休みに長野に帰ったら、エミリと沢山遊ぼう。
桐生先輩は田中先輩の元へ戻った。
「そう言えばあの二人も付き合い出したんだっけ。」
それを見た徹が言った。
「あー、そうだよね。あのカップル誕生はちょっと意外だったなぁ。」
「俺も驚いた。」
気付けば、部室内はそれぞれ二人ずつに別れていた。
「なんか、微笑ましいね。」
「どうしたいきなりババァみたいな発言して。」
「ババァとか言うな!」
徹の頭を叩こうとしたが、すんなりと避けられた。
「最近、お前の行動が読めるようになってきた。」
徹がニヤリと笑った。