第16章 発覚
翌日も、微熱は続いていた。
時折目眩もする。
しかし、学校を休む程体調が悪い訳ではない。
私はいつも通り、徹と登校した。
校門前で待っていた七瀬が、私達を見ると駆け寄ってきた。
「おはよう。シュリ、体調大丈夫?」
「うん、大丈夫。心配かけてごめんね。」
「血液検査の結果明日だっけ?なんとも無いといいね…。」
「大丈夫だよー!」
それは、自分に向けて言った言葉でもあった。
「そう言えば徹、昨日どうだった?」
「なにが?」
私の言葉に徹が首を捻った。
「なにがって、初出勤!」
「ああ…注文受けてマスターが作った物出して、客に話しかけられたら適当に返して、客が帰ったら片付けして…みたいな。楽だったよ。」
「なるほどねー。今日は私の番だ!頑張ろー。」
「お前、大丈夫か?働けるのか?」
「全然大丈夫だよ。何の問題も無いよー!」
そう言って私は、先頭をきって校舎の中に入った。