第16章 発覚
写真部の活動を終え、バイト先のカフェの前まで七瀬と徹と帰った。
「じゃあシュリ、バイト頑張ってね。」
「うん、頑張る!」
カフェに入ろうとすると、徹に腕を掴まれた。
「なに?」
「無理はするなよ。」
「大丈夫だって。心配し過ぎだよー。」
「明日、学校が終わったら写真部には行かないで病院だからな。」
「わかってるわかってる。」
七瀬と徹と別れ、カフェに入った。
「お疲れ様です、マスター。」
「おー、シュリちゃん。お疲れ様。奥にスタッフルームがあるからそこで着替えてね。タイムカードの押し方は分かるかい?」
「はい、大丈夫です。」
「それじゃあ着替えておいで。」
「はーい。」
店の奥に"STAFF"と書かれた部屋があった。
中に入ると、ロッカーがあった。
鞄から制服を出して着替え、空いているロッカーに鞄を入れた。
タイムカードを切り、店に出た。
「じゃあシュリちゃん、一通りのことを教えるね。」
「はい、よろしくお願いします。」
伝票は手書きで、会計はマスターがするため、仕事は比較的に楽だった。
お客さんも多くても5組程しか入らず、忙しい訳でもない。
これで時給1000円も貰っていいのかと思ってしまった。
ラストオーダーの20時半になると、サラリーマン風のお客さんが一人居るだけだった。
そのお客さんが帰ると、マスターの指示で店の閉店作業をした。
「閉店作業は暇な時だけでいいから、21時になったら上がってね。」
「はい、わかりました。」
「シュリちゃん、初日お疲れ様でした。賄い食べて行くかい?」
「え、平日も賄いあるんですか?」
マスターがニッコリと笑って頷いた。
賄いは土曜日のお昼にだけ出ると思っていたため、嬉しかった。