第15章 初恋にさようなら
一旦アパートに帰り、夕方になると徹はバイトに行った。
私は部屋で一人、ネットである事を調べていた。
今の自分の体の事だ。
調べると、一つの病気に辿り着いた。
「白血病…。」
今の世の中は便利だ。
ネットで少し検索すれば、様々な情報を得ることが出来る。
目眩、発熱、鼻血、痣…私の体に起こっていることは、白血病の初期症状に当てはまっていた。
もしかしたら徹はこれを知り、私を病院に連れて行ったのかもしれない。
「…まさかね。」
私はスマホをベッドに放り投げた。
実際に白血病だと診断された訳ではない。
確かに症状は当てはまるが、自分がこんな大病にかかるなんて考えられなかった。
いつも通り夕飯を作り、それを食べ、お風呂に入った。
浴室でふと気付いた。
脇腹の辺りに痣が出来ている。
"白血病"
その3文字が一瞬頭を過ったが、深く考えないようにした。
「病は気からって言うしね~。」
なんて、わざと呑気な口調で呟いた。
そう、自分に言い聞かせた。
20時半過ぎに、玄関のチャイムが鳴った。
「はーい。どちら様ですかー?」
「シュリ、俺だよ。直人。」
心臓が飛び出るかと思った。
どうして直人が…?
そう思いながら、玄関のドアを開けた。