第15章 初恋にさようなら
「ノリが軽い…。」
思わずそう言ってしまった。
徹は不満げな顔をした。
「軽いって言われても…じゃあ、シュリさん。僕と正式にお付き合いして下さい。」
「それはそれで胡散臭い…。」
「じゃあなんて言えばいいんだよ?」
徹は若干めんどくさそうに舌打ちをした。
「そう言われるとよく分からないけど…。私達って付き合っても今と何も変わらなさそうじゃない?」
「お前と池田はヤったの?」
真っ昼間から何を言い出すんだコイツは。
しかも平然とこんな所で。
「してない…けど。」
小声でそう言うと、徹は箸を止めた。
「ふーん。ま、俺は池田みたいにヘタレじゃねぇから付き合ったらそれなりのことするけど?」
遠回しに凄い恥ずかしいことを言われた気がした。
何も言えない私を見て徹は鼻で笑った。
「お前、エミリを見習えよ。」
「ちょっと!この話の流れでエミリの名前を出さないで!エミリは私の中で汚れを知らない純真無垢な天使なんだから!」
「アホかお前。10歳も年上の彼氏の家に泊まりに行ってんだからもう…。」
「それ以上何も言わないで!」
徹は心底愉快そうに笑った。
そのまま私達が付き合う、付き合わないの話は流れ、食事を終えた私達はレストランを出た。