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薔薇と向日葵

第15章 初恋にさようなら


「今日はどうされましたか?」

診察室に入ると、40代くらいの男性の医師が優しく問いかけてきた。

「えっと…最近目眩や微熱があって…。」

「それから、体に痣ができたり鼻血が出たりするんです。」

徹が私の言葉に付け加えてそう言った。

「一応、血液検査してみましょうか。」

医師にそう言われ、私は血液検査を受けた。

そして再び診察室に呼ばれた。

「明後日には結果が出るので、明後日また来て下さい。」

「わかりました。」

会計を済ませ、病院を出た。

「徹、さっき何で痣のこととか鼻血のことまで言ったの?」

「別に。一応言っただけ。」

なんとも腑に落ちないが、徹があまりにも険しい顔をしているのでそれ以上何も言えなかった。

スマホを確認すると、七瀬からメールが来ていた。

"病院どうだった?大丈夫?"

私はそれに対し、"一応血液検査したよ。結果は明後日に出るみたい。"と返した。

スマホをしまうと、徹が言った。

「明後日、俺も一緒に行くから。」

「え?一人で大丈夫だよ?」

「一緒に行く。」

徹は何故、こんなに心配しているのだろう。

何か思い当たる病気があるのだろうか。

「徹、何か思い当たる病気でもあるの?」

「別に。俺は医者じゃねぇしよく分からねぇけど、なんとなく気になったから。」

「そっか。」

「それより腹減った。」

徹にそう言われて腕時計を見ると、もうすぐ12時だ。

「何か食べに行く?」

「そうするか。」

私と徹は駅の方へ向かった。
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