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薔薇と向日葵

第14章 兆候


いつの間にか眠ってしまったらしい。

目を覚ますと、部屋の中は真っ暗だった。

ゆっくりと起き上がり、部屋の電気を付けた。

額に手を当てると、まだ少し熱がある様に感じた。

ベッドから出て、冷蔵庫を開けた。

徹が買ってきてくれたプリンやゼリー、飲み物が入っている。

プリンを食べていると、玄関のチャイムが鳴った。

「シュリ、入るぞ。」

徹の声だった。

私は玄関のドアを開けた。

「お前、もう大丈夫なのか?」

「うん、まだ少し熱っぽいけどもう大丈夫。今ね、徹が買ってきてくれたプリン食べてたの。」

「そうか、それなら良かったよ。」

せっかく来てくれたので、徹を部屋に入れた。

私達は向かい合って座り、私は残りのプリンを食べた。

「色々買ってきてくれてありがとう。」

「いや、それはいいんだけど…。」

徹がじっと私を見つめた。

「なに?」

「いや…明日学校行けそうか?」

「うん、大丈夫!明日カフェに履歴書出しに行こうね。」

「ああ…そうだな。」

「やっとバイトできるー。」

少し緊張するが、新しいことにチャレンジするのは好きだ。

それに、バイト代が入れば今まで我慢していた欲しい物が買える。

「徹は高校の時バイトしてたの?」

「してない。」

「じゃあ初バイトなんだ!」

「シュリは高校の時バイトしてたんだっけ?」

「うん、ケーキ屋さんでしてたよ。」

「ケーキ屋か、お前らしいな。」

「クリスマスは戦争だし、時給は低かったけどねー。」

とは言いつつも、今となっては良い思い出だ。
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