第14章 兆候
自分の部屋に戻った私は、また、あの目眩に襲われた。
視界がかすみ、私はその場に倒れ、段々と意識が遠退いて行った。
「…シュリ、シュリ!大丈夫か!?」
揺れる視界の中、徹の姿を捉えた。
「…とおる?」
「大丈夫か?」
私は玄関で倒れていた。
徹は私を抱き上げ、ベッドまで運んでくれた。
「今日休みだから一緒にカフェに履歴書出しに行こうと思ってお前の部屋に来たら、何度チャイム鳴らしても出て来なくて…悪いとは思ったけどドアノブ回したら鍵が開いてて…少しドア開けたらお前が倒れてたから驚いた。」
「そっか…なんか、急に目眩がして…。」
「お前、顔赤いぞ。熱あるんじゃねーか?」
「体温計…。」
「どこにある?」
「箪笥の上の、救急箱の中…。」
私がそう言うと、徹は救急箱を持ってきてくれた。