第13章 大学祭2日目
「そうですよね…七瀬、ごめんね。責めるような言い方して。」
「いや、あたしこそ変な気を使ってごめんね!」
七瀬はいつもの調子でそう言って笑った。
小山先輩が相田先輩の頬をつねった。
「武先輩は飲みすぎですー。」
「す、すまん…。」
「そんなんじゃ結婚しませんよー。」
「結婚!?」
小山先輩と相田先輩以外の全員が同時に声を上げた。
「し、志乃!その話は…っ!」
「武先輩に言われたのー。私が卒業したら結婚してくれって。」
慌てふためく相田先輩を無視して話す小山先輩。
「また随分と気の早い…。」
田中先輩がニヤニヤと笑いながら相田先輩を見た。
「でも志乃先輩可愛いから、予約入れとかないと誰かに取られちゃうかもしれませんもんね。」
紫音先輩がニコニコと笑いながら追い討ちをかける。
相田先輩は首まで真っ赤になっている。
少し可哀想だと思うのは私だけだろうか。
「じゃあ俺も先輩に習って予約しておこう。」
田中先輩が咳払いをして桐生先輩を見つめた。
「桐生、俺はお前が好きだ。お前のその変わった趣味趣向を理解できる男は俺だけだと思ってる。付き合ってくれ。」
その場にいる全員が驚いた。桐生先輩を除いて。
「あら、そう。別に良いわよ。私も田中のこと嫌いじゃないし。」
桐生先輩は顔色一つ変えずに答えた。
「えー、カップル成立ー?おめでとー。」
小山先輩が小さく拍手をした。
なんだか凄い展開になってきたぞ…。