第13章 大学祭2日目
私達はそのまま、駅前のチェーン店の居酒屋に移動した。
食べ放題、飲み放題のよくある居酒屋だ。
テーブル席に、奥から相田先輩、小山先輩、桐生先輩、田中先輩。
向かって正面の奥から紫音先輩、七瀬、私、徹という席順になった。
先輩達はみんなお酒を注文した。
「俺も酒がいい…。」
「何言ってんのよ!未成年でしょ!」
徹は文句を言いながらジンジャエールを、私と七瀬は烏龍茶を注文した。
飲み物が揃い、相田先輩から一言。
「みんな、2日間お疲れ様でした。それから紫音、酒解禁おめでとう!それじゃあ乾杯!」
「乾杯!」
お酒の席が初めての私は、少し緊張していた。
「シュリ、なに食べる?」
七瀬がメニューを開いて話しかけてきた。
「んー…私は…。」
「俺唐揚げ。」
横から徹が顔を出した。
「また唐揚げ食べるの?」
「ダメ?」
「気持ち悪くならないの?」
「唐揚げはいくら食っても大丈夫。」
どんな理屈だ…と思いつつ、私は玉子焼きを選んだ。
「七瀬、俺にもメニュー見せて。」
紫音先輩が七瀬に話しかけた。
私は小声で徹に言った。
「ねぇ、紫音先輩も呼び方変わったよね?」
「そうだな。まぁ、呼び方変わった所で関係が変わったとは限らねーし。」
何とも腑に落ちなかったが、七瀬から何か話してくるまでは何も聞かないことにした。