第13章 大学祭2日目
私達は写真部のコーナーへ戻った。
「あら、おかえり。早かったわね。」
桐生先輩と田中先輩は二人でスマホゲームで遊んでいた。
「お客さん来ましたか?」
七瀬の問いかけに桐生先輩が首を横に振った。
「今日は全然ダメね。」
その後私達は適当に雑談をしながら相田先輩と小山先輩が帰ってくるのを待った。
午後3時。
大学祭2日目が終了した。
「まだ相田先輩と小山が帰って来ないけど、片付け始めようか。」
田中先輩の指示で私達は片付けを始めた。
少しして、相田先輩と小山先輩が駆け足で戻ってきた。
「遅くなってすまん!」
「ごめんねー。」
行きと同じく、帰りも仲良く手を繋いで帰ってきた先輩達を見て、微笑ましく思った。
「デートは楽しかったですか?武先輩。」
紫音先輩がからかうように相田先輩に言った。
「紫音、お前先輩をからかうなんて生意気だぞ!」
相田先輩は顔を真っ赤にしながら紫音先輩の頭を叩こうとしたが、紫音先輩はそれを笑いながらかわした。
私は小山先輩が左手の小指に指輪を付けていることに気付いた。
「小山先輩、その指輪可愛いですね。」
「ああ、これね。手芸部のコーナーで販売してたの。武先輩が買ってくれたんだよー。」
「えー、そうなんですか!?」
小山先輩の細い指にはめられた、ハンドメイドのピンキーリング。
細いリングに小さなピンクの花が付いた可愛い指輪だ。
相田先輩は顔を真っ赤にしながら聞こえないフリしていた。
「小山先輩と相田先輩って付き合ってるんですか?」
そう聞くと、小山先輩は嬉しそうに笑った。
「さっきね、告白されたの。」
「え、そうなんですか?」
「それで答えは?」
七瀬も会話に加わった。
「もちろんオッケーだよー。武先輩、やっと告白してくれたんだもん。」
「良かったですね小山先輩ー!」
私は自分よりも小さな小山先輩を抱きしめた。