第2章 出会いの春
「仕切り直しだ。今度はお前の行きたい所に行くぞ。」
「え、でも私この辺りのこと全然わからないし…。」
「じゃあ昼飯食いに行くか。何が好き?」
「んー、和食!」
「意外と渋いのな。」
お店に向かう途中、私は今朝のカフェでの出来事を思い出した。
「そう言えば、さっきの彼女さんはいいの?」
「彼女じゃねーし。ただのキャバ嬢だよ。」
「徹、なんでキャバ嬢の知り合いなんているの…?」
「この辺歩いてたら向こうから声かけてきた。」
何となく、察しはついた。
カフェでの修羅場も含めて考えると、恐らく彼女は徹に貢いでいたのだろう。
「徹、他にもそういう人いるの?」
「秘密。」
それ以上は聞くな、と言われた気がした。
徹に連れられて、私達は和食レストランに入った。