第12章 大学祭1日目
「いい感じの人だったな。明智と羽山の写真を見た時は一瞬ひやっとしたけど。」
相田先輩の言葉に小山先輩が頷いた。
「大人なんですねー。でもまさか明智さんの彼氏が来るとは…。」
「想定外だったわね。私はてっきり、否定はしつつも明智さんは羽山君と付き合っているのかと思ってたわ。」
桐生先輩の言葉に田中先輩も頷いた。
「俺もそう思ってた。」
やはり端から見たらあの二人はそう見えるのか…。
「俺には必死に冷静を装ってるように見えましたけどね。」
別所先輩が平然と爆弾を投下した。
「別所先輩…!」
隣にいる別所先輩を睨み付ける。
別所先輩の一言で、また場の空気が悪くなった。
「みなさん、直人さんが来たことはシュリには秘密にしておきましょう。やましいことは無いとはいえ、彼氏にああいう写真見られたらちょっと気まずいですもんね。」
「そ、そうだな。その方がいい。みんなそうしような。」
私の言葉に相田先輩のフォローも加わり、直人さんが来たことはここだけの話にしておくことになった。