第12章 大学祭1日目
「なんていうか、やり方がえげつないな。」
女の子達が去った後、七瀬が苦笑いをしながら言った。
「売れりゃいいんだろ?」
徹は冷ややかにそう言った。
「私のドールの価値を解ってるのかしらあの子達。」
桐生先輩が若干不満げに呟く。
「まぁまぁ、みんなの写真全部素敵だよ?」
小山先輩がフォローを入れる。
「顔が良い男は特だな、瞬…俺達は毎日地道に写真を撮り続けているというのに…っ。」
「何故その敗北感を俺と分かち合おうとするんですか。」
相田先輩に絡まれて若干嫌そうにする田中先輩。
「まぁ、売り上げは部費に回るんですから、じゃんじゃん売っていきましょうよ武先輩。」
紫音先輩が相田先輩の肩を叩いた。
「くっ…、不本意だが仕方ない。紫音、羽山、じゃんじゃん女の子捕まえろ!」
ついにプライドを捨てた写真部部長。
私達は初めての大学祭を楽しんでいた。