第2章 出会いの春
仕方なく、徹の気分転換に付き合うことにした。
「それで、どこに行くの?」
「ダーツしに行く。」
「ダーツ!?私やったことない…。」
「ハマると結構楽しいよ。」
徹に連れられ、アパートとは反対口にあるダーツバーに来た。
店内は薄暗く、少し気味が悪い。
「ねぇ、なんか怖いんだけど…。」
「昼間はアルコール禁止だし、客層もそんなに悪くないから大丈夫だよ。」
そうは言われても、なんだか緊張してしまう。
徹は慣れた様子で受付でダーツを借り、飲み物を注文して一番奥の席に向かった。
私は言われるがまま、徹に付いて行った。
小さな丸いテーブルにイスが二つ。
私は壁際のイスに座った。
隣で刺青の入った柄の悪い男性二人が大声で話しながら遊んでいる。
正直、帰りたい。
徹は何も言わずに何やら設定をして、投げ始めた。