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〜Cafe myosotis〜

第11章 -心配の無駄遣い-(月島明光)


「だろ〜?」


明光はニカッと笑って
すみれの顔を覗き込む。


「その場にいた奴らもさ、
すみれと同じように、”失敗しちゃった”とか
気にしてっかもしんねーべ?
すみれからしたら、
すみれより全然うまく喋れてんのにさ?」


「そうなの…かな…」


すみれはまた少し顔をあげた。


「皆そんなもんだって♪
すみれがそんな気にすんなら、
じゃあ、次はどうするのか?
今回のコトを生かして、
次に繋げりゃ、それでいいんだよ。」


「次に…」


「そうそう♪」


少しずつ表情に明るさを
取り戻してきたすみれに
明光は嬉しそうに話を続けた。


「それに、すみれは色々心配しすぎ‼︎
もっと自信持てって!」


「でも…心配だもん。
うまくできたかな…とか、
今のほんとはイヤだったのかな…とか…」


「だぁぁぁ…‼︎
すみれはそれがいけないんだって!
いいか?そういうのは、
心配の無駄遣いっていうんだぞ?」


「心配の…無駄遣い…?」


すみれは思わず
キョトンとして聞き返してしまう。


「そう!心配しなくていいコトを
無駄に心配してるから、心配の無駄遣い!
心配するコトがなくなると、
心配ないコトが心配になって、
どうでもいいコトを心配しちゃう…ってヤツ。」


「ど…どうでもいいことって…」


「心配すんならさ、
もっと他のコト心配しとけ?」


「他のコト…?」


「この店、ほんとに大丈夫なのかとかさ、
潰れねぇかなとか、色々あるだろー?」


「そ…そんなこと…⁈」


すみれはグルリと店内を見回し、
自分以外の客を見たコトがない事実を
ふと思い出す…。


「ま、つまりだな、
心配の大安売りするくらいなら、
そういうどうでもいい心配にしとけ♪」


「どうでもいいって…」


すみれは自分が悩んでいたことも忘れ、
ポカンとして呆れてしまう。


「あ…やっぱどうでもよくねぇか!」


「え…?」

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