第10章 -雨のおくりもの-(黒尾/赤司)
「あ…あ…あの…‼︎」
両サイドから色男2人に顔を寄せられ、
ホットワインの酔いが
すっかり覚めていたすみれの頬は
また真っ赤になってしまっている。
「照れてやんの(笑)♪かっわいーい♪」
「か…からかわないでくださいっ!」
すみれは黒尾から離れるが、
逆に赤司と近づいてしまい、
すみれはまたまた赤くなってしまう。
「それだけすみれさんが
魅力的だというコトですよ?」
「そ…そんなこと…」
「な?ちょっと視野を広げたら、
すみれちゃんの魅力に気付く奴なんて
いっぱいいるぞー?」
黒尾はニヤリとして、
すみれの頭をぐしゃぐしゃっとした。
「うわっ…」
「ま、その魅力に魅せられた男が、
既に2人いるんですから…ね?」
「え…?」
赤司のことばに黒尾も頷く。
「そ♪だからさ、また
そのアホ男に”会いたい”って思ったら、
ココにおいで?」
外の雨はまだまだやみそうにもない。
でも、2人の優しいことばは、
まるで外で降り続く雨のように
すみれの心からドロドロした
嫌な気持ちを洗い流してくれた。
---End---