第8章 -感謝の気持ち-(花巻/青峰/岩泉/鎌先/木吉)
「「「「「(か…かわいい…)」」」」」
寝起きのすみれに見とれる5人だったが、
そこでいち早く冷静になったのは、しんみりした空間にいなかった花巻だった。
「すみれちゃん、
酔って寝てたみたいだぞ?」
「ふぇ…?あ…そいえば…寝たかも…」
「はは…相変わらずだなぁ。
てか、もう終電ねぇだろ?
奥の部屋のベッド貸したげるから。
シャワーもあるし。
メイク落としてから寝なきゃダメだろ?
ほら、おいで?」
「ん…?ぁ…はぁい。」
酔っ払いで寝起きのすみれは
言われるがまま…
しゃがんですみれに背中を向ける花巻に
しっかりその身を預け、
そのままおんぶされ、
奥の部屋に消えていった。
「「「「はぁ⁈」」」」
ことばを掛ける間もなく、
花巻にすみれをかっさらわれた4人は、
ただただ呆気に取られるだけだった。
それでも4人の感謝の気持ちは、
眠っていたすみれの胸に
ちゃんと届いているのだろうか?
ことばにしても
まだまだ足りないくらいだが、
今度はちゃんと起きているときに…
もっともっとたくさんのことばで、
感謝の気持ちを、
誰よりも自分が1番たくさん伝える…
そう胸に誓う4人だった。
---End---