第8章 -感謝の気持ち-(花巻/青峰/岩泉/鎌先/木吉)
「はじめさーーん‼︎おかわりー♪」
「はぁ⁈おまえ、そろそろやめとけって。」
ほろ酔いでご機嫌のすみれの申し出に、
すみれの空いたグラスを受け取りながら、岩泉は呆れ顔で苦言を呈す。
「えぇー⁈やだー!飲みたいー!
じゃあ、はじめさんをおかわり♡」
「は⁈」
「えっ⁈岩泉とすみれって、
そういう関係だったのか?」
ちょうど買い出しから戻った大木…
もとい背が高くガタイのいい木吉が、
相変わらずトンチンカンなコトを言うが、酔っ払いのすみれには通用しない。
「えへへぇ♪
バレちゃったね、はじめさん♡」
「バッ…‼︎おいっ‼︎すみれっ‼︎
ち…ちげぇだろ‼︎木吉も‼︎
酔っ払いのすみれに乗っかるな!」
「ん?何がだ?
オレはすみれに乗っかってないし、
さすがにオレが乗っかったら、
すみれが潰れちゃうだろ?な?」
買い出しの荷物を
カウンターに置いた木吉は、
荷物を持っていたその大きな手で、
すみれの頭を優しく撫でた。
「鉄平さんの手、おっき〜い♡
あったかーーい♡」
「「…っ⁈(それ、反則だろ⁈)」」
酔っ払ってトロンとした目で
木吉を見上げたすみれは、
そのまま木吉の手を取り、
木吉の手にギューッと顔を寄せた。
「ほんとに酔っ払ってるな。
でも、すみれはかわいいなぁ。」
木吉はすみれが顔を寄せているのと
反対の手で、すみれの頭を撫でる。
「おいっ‼︎木吉っ!」
木吉の行動に焦った岩泉は、
思わずカウンターの中から出てきて、
すみれを木吉からかっさらい、
座ったままのすみれを抱き寄せた。
「あれ?はじめさ〜ん?
あー♡はじめさんだぁ♡」
立っている岩泉の腰に
抱きついているすみれは、
ただただトロンとした目で
岩泉を見上げるだけだった。
すっかり酔っ払っている。
「おい‼︎おめぇら!
すみれに何してんだよ⁈」
店の奥の扉から出てきたのは、
またしても大きな男…。
他の2人は長袖のワイシャツなのに、
1人だけ半袖のワイシャツ…。
たしかにいい腕だが…。