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〜Cafe myosotis〜

第7章 -仕事とドジと喧嘩とあなた-(東峰/菅原/澤村)


「はぁぁぁぁ…。
疲れたぁぁぁぁぁ。」


電車を乗り継ぎ、
やっと地元の駅に着き、
思わず声に出してため息をつくすみれ。


金曜日の夜…明日は休み。
普段なら心躍る週末花金…て死語だが、
すみれは心躍るどころか、
心が沈んでいた。


心が踊らない理由その1…


仕事。


すみれは今週ずっと残業していたのに、
仕事が片付くどころか、
自分のミスのせいで
半分も終わっていなかった。





心が踊らない理由その2…


婚約者。


昨日の朝、すみれは、
同棲中の婚約者と大げんかをしていた。
しかも彼はその朝から1泊出張。
今日帰ってきてしまうのだ。



会社でも家でも居場所がない…
そう思ってネガティブになってしまう
すみれだが、
家に帰らないわけにも行かない。


でも、やはり足取りは重く、
すみれはうつむき加減で、
トボトボ家までの道を歩いていた。


「あ…‼︎やだ…
カフェに寄るつもりだったのに…」


トボトボ歩いていたすみれが
突然声に出して立ち止まる。


残業しても終わらない仕事を
家に持ち帰りたくなくて、
すみれはよく地元の駅前のカフェで
コーヒーを飲みながら、
仕事を片付けて帰るのだが、
いろんなコトを考えすぎていて、
気がついたらカフェを通り過ぎていた。


「はぁ…最悪…。」


今さら駅前まで戻るのもなぁ…
でも、家に帰って仕事するのもなぁ…
そう思いながらも、
ゆっくり家のほうへ向かっていたすみれは、
ふと見たことのない看板を目にする。


「カフェ…?」


”Cafe myosotis”


そう書いてある小さな小さな看板…
その看板の横には、
緑の葉っぱに隠れるようにひっそりと
小さな入り口があった。


これは昼間でも気付かないかもしれない。


すみれが入り口を覗くと、
奥に明かりが見えた。


こんな時間だけど…開いてる?


すみれはその明かりに
吸い込まれるように
入り口の奥へと進んで行った。



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