第2章 -なにかひとつ-(澤村)
よく晴れた日曜日の朝…
寝てる時間は幸せ…
ずっと寝ていたい…
そう思っているのに、
勝手にいつもの時間に
起きてしまったすみれ。
今日は何をしよう…
友だちがいないわけではない。
かと言って、
毎週毎週ひっきりなしに
予定が入っているわけでもない。
皆どうして毎日予定があるのだろう?
そう思うすみれ自身には、
生憎答えは持ち合わせていなかった。
「すみれー?今日も家にいるの?」
母親にまで、
「今日”も”」と言われる始末…。
「ううん!出掛けるー!」
「どこに?」
「友だちとランチ!」
もちろん…すみれの嘘だった。
暇で今日も家にいる…
そう思われたくなくて、
思わずついた嘘…。
さぁ…嘘をついてしまった手前、
出掛けなければならない。
いつもよりゆっくり丁寧にメイクして、
行く当てがあるわけでもないのに、
お気に入りの可愛い服を着る。
「いってきまーす!」
さぁ…今日はどこに行こう?
本屋さんでも…行こうかな…