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〜Cafe myosotis〜

第5章 -失恋特効薬-(岩泉/花巻)*


「大丈夫ですよ。」


花巻はすみれの髪を引っ張らないように
優しく髪をほどいた。


「それにしてもキレイな黒髪だね。」


すみれの髪型は、
もうすぐ胸のあたりに届きそうな、
サラサラのロングヘアだった。


「ほんとは…パーマかけたくて…
髪も染めたかったんですけどね。」


「なんでしないの?」


花巻は首を傾げ、すみれに尋ねる。


「彼が…黒髪のストレートヘアが
好きだったから…。
まぁ、フラれちゃったんですけどね。」


「…‼︎なぁ?名前なんていうの?」


「…‼︎(そういや、知らなかったな。)」


花巻のことばにハッとする岩泉は
どこか少し悔しそうだった。


「…すみれです。」


「すみれちゃんかぁ。
すみれちゃんさえよければだけど、
コーヒー飲んだら、ちょっと奥に来てよ。」


「花巻、今日予約ないのか?」


「予約あってもどうにかなるってー。
ま、とりあえずあとで奥来てな。」


花巻はすみれの肩をポンポンとして、
そのまま奥の部屋へ行ってしまった。


「あ…あの…」


「ん?まぁ、悪いようにはしねーって。
あいつもムリヤリはしねーから。」


「は…はい。」


そう言われてもすみれには
何が何だかサッパリわからず、
ただただポカンとしているしかなかった。


「くくっ…
おまえ、おもしれぇ顔してんぞ。」


「えっ⁈ひどっ‼︎岩泉さん、ひどい‼︎」


「…‼︎なんで、名前…?」


「あ、さっき、あのピンクブラウンの…
花巻さん?が言ってたから…」


「あぁ。」


岩泉は納得したように頷く。


「店に来た時よりはいい顔してんな。」


「…‼︎なんか…すみません。
ありがとうございます。」


すみれはぺこりと岩泉に頭を下げる。


「なぁ?
もう一つ…失恋に効くもんやろうか?」


「え…?」


…チュ。


岩泉はすみれの頬に口づけをした。


「”裏”失恋特効薬♪花巻には言うなよ?」


「……っ⁈⁈」





すみれの涙は、
岩泉の特効薬で一気に渇いていた。





---End---


→to be continued
→coming soon



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