第4章 -なかよし⁇-(鎌先/二口)
「なかよしなんかじゃねーからな?
ほら、コレ飲めって。待たせたな。」
そう言って鎌先は、
ガラスのティーカップに
アップルティーを注いですみれに出す。
「うわぁ…いい香り♪
ありがとうございます。」
すみれは香りを楽しみながら、
ゆっくりアップルティを飲み始めた。
「でも…仲良くするって…
難しいですよね。」
「どうしたんだよ、急に?」
鎌先は不思議そうにすみれを見る。
「仲がいい友だちだと思っていても、
なかなか本音で話せなかったりするし…」
「まぁ、
親しき仲にも礼儀ありっつぅしな。」
「てめぇが言うな!二口っ!」
相変わらず
キャンキャン言い合う2人を見て、
すみれはまたクスクス笑ってしまう。
「すみれちゃん、笑いすぎだぞ?」
鎌先はふぅっとため息をつきながら、
すみれをたしなめる。
「じゃあ、しょうがねぇから、
鎌先さんにもコレあげますよ。」
二口は、鎌先にもグミを差し出す。
「いらねーよ。酸っぱいヤツだろ?」
「違いますってー。
な?すみれちゃん?」
「あ!今日のは美味しかったですよ?」
「そうなのか?」
すみれのことばに後押しされ、
鎌先は二口からグミを受け取り、
口に放り込む。
さすがに二口も鎌先には、
食べさせたりしなかった。
「…お♪たしか…っ⁈
すっぺぇぇぇぇぇっ‼︎なんだこれ⁈」
後から酸っぱさがきたらしく、
鎌先はキューっと目を閉じて、
酸っぱさに耐えていた。
「ぎゃはははっ‼︎
騙されてやんの〜♪」
「え…?」
してやったり顔で嬉しそうな二口の姿に
ポカンとしているすみれ…。
「さっきわたしにくれたのと
違うグミだったの?」
「まぁな♪」
「ふーたーくーちーーーっ‼︎」
「おわっ⁈やべっ…」
鎌先はワイシャツは破らなかったが、
二口に噛みつかんばかりに
カウンターの中から出てきてた。
それを見て素早く逃げる二口…。
「喧嘩するほど仲がいい…
言いたいコトをちゃんと言い合えるって…
大事だよね。」
追いかけ合う2人を見ながら、
少しスッキリしたように
アップルティを味わうすみれであった。
---End---