第4章 -なかよし⁇-(鎌先/二口)
ガチャン‼︎
「うおっ⁈セーフ♪」
カップを落としそうになった二口は、
すんでのところでキャッチをしたが、
手に持っていた
スプーンは落としていた。
「二口‼︎てめぇはまた〜っ‼︎」
「げっ‼︎鎌先さん‼︎
割ってねーから、セーフっすよ!
な?すみれちゃん?」
「そういう問題じゃねーっ‼︎」
「あ…あの…とりあえず…
アップルティ…ください。」
この二人のコンビの時は、
なかなかゆっくりできないなぁ…
すみれはそう思いながらも
二人のやりとりを、
苦笑いして見ているしかなかった。
「あ!すみません‼︎すぐに!」
すみれの声に我にかえり、
すぐに準備を始めるマスターの鎌先。
「あ!すみれちゃん、コレやるよ♪」
落としたスプーンを洗った二口は、
準備をしてる鎌先などお構いなしに、
すみれの隣に座り、
ポケットからグミを出す。
「グミ〜?また酸っぱいやつでしょ?」
すみれは警戒心満載で、
じとっと二口を見つめる。
「今日のは大丈夫だって♪
ほら、あーん♪」
「ちょ…ちょっと‼︎…っん‼︎」
二口はまるでキスをするかのように
すみれの頬を優しく持ちながら、
すみれの口に
そっとグミを放りこむ。
「あ‼︎美味しーい‼︎」
「だろー?」
「二口くん、
たまにはいいものくれるんだね〜♪」
「オレ的には
いつもいいもんあげてんだけど。」
不満げに言いながらも、
嬉しそうなすみれの表情に
知らず知らずに
顔をほころばしている二口…。
「ふーたーくーちーーーっ‼︎
てめぇはちったぁ働けやぁ⁉︎」
鎌先は、着ているワイシャツを
引き裂きそうなほど、
怒りをあらわにしている。
「働けって、今お客さん
すみれちゃんしかいねーし。
つぅか、鎌先さん、
そのワイシャツ破って、何する気っすか〜?
まさかすみれちゃんに筋肉アピールとか?」
「バ…‼︎アホか⁉︎」
小生意気に鎌先を扱う二口と、
それにいちいち大きく反応する鎌先…。
「2人はなかよしですね〜。」
「「はぁ⁈なかよしじゃねー‼︎」」
「ほら♪なかよしだ♪」
仲良くハモって否定する2人に
思わずニッコリ微笑むすみれだった。