第2章 流れる毎日
甘ったるい声で囁かれて、五分。
私と綱吉さんは微動だにしない。
…多分、綱吉さんは動けるんだ。でも、私は動けない。動ける訳がないだろう!綱吉さんと言う名の超美形男子が真近に?そして、甘ったるい声と来たもんだ。
今、私が使えるものはこの脳みそだけ…
「…」
『…』
そこからの、長い…長い沈黙。
そして、ついに綱吉さんが動いた!
立ち上がり、元々座って居た所に座る。そして、こっちを見ながらニコニコしている。
…やっと退いてくれて、ホッとしたのが本当だ。
ようやく、動くようになった身体を綱吉さんと向かい合うように、元々座って居たようにする。
多分、顔が赤いだろう。多分じゃない…絶対だ!
恥ずかしい…頭にその言葉がグルグル回る。
「んじゃ、侑ちゃん?俺の事なんて呼ぶの?」
悪戯っ子の様な笑みを浮かべて聞いてくる。
ここで、“綱吉さん”と呼ぶとさっきの様な事になるだろう…もう御免だ。思い出しただけでまた、顔いや、身体が熱くなる。
「ふふふ、はやく言いなよ」
『え、えっとその…あの、つ、ツナさん!』
…ここでやってしまった。緊張して語尾が強くなる癖。あーぁ…
綱吉…おっとツナさんの顔を伺えば、満足そうで
「そうそう!初めから言えば良いのに!でも、侑ちゃん可愛いねぇ、今さっきの言い方…ふふ」
と、笑う。悪戯っ子な笑みじゃなくて純粋で素敵な笑みである。
ニコニコしながら、立ち上がると
「じゃあ、話もひと段落したし、侑ちゃんの部屋に案内するよ!」
と、素敵なスマイルを浮かべながらツナさんは…じゃなぁぁぁぁあい!
ほ?は?
今なんと⁉部屋?部屋だと?何の?