第4章 〜華奢〜
ふと思考に沈みそうになるも、
「玲!何飲む?お酒って色んな種類があるのよ?」
お品書と書かれた紙を見せながら、乱菊は楽しそうにこちらを見る。
彼女は本当に、憎めない。
乱菊が楽しそうだと楽しくなるし、悲しそうだとどうにかしてあげたくなる。
決して子供扱いしてるとかそんなんじゃなくて。
あんまり元気だから、なんだか悩んでいる此方が馬鹿らしくなってしまう。
「飲み易いのがいいな」
「あっちは日本酒しかなかったんでしょ?隊長も気が利かないわよねぇ。甘いのがいい?」
彼方の席から、聞こえてるぞ、と言わんばかりに冬獅郎が睨みを利かせてきたけれど。
「うん、甘酸っぱくて匂いきつくないやつが良い」
気付かないふりをして乱菊に微笑むと、頷いた彼女は注文しに行ってくれた。
「あ、そう言えば桃。さっき乱菊が私が死神として認められたとかどうとか言ってたけど…知ってる?」
「え?本人なのに知らないの?!というか、この集まり、玲ちゃんの死神就任祝いだよ?」
「それも初耳」
「そっか…。総隊長が正式に許可出して、所属はまだ決まってないけど…玲ちゃん人の霊圧あげられるし、修行付けるのが上手いから出来れば見てもらえって、言われたよ?」
きょとんとしながらも教えてくれた桃に、元凶は元柳斎だったと発覚。
なら、昼に追い返した檜佐木には少し可哀想なことしたかも。
「…檜佐木修兵」
「…お前いきなり呼び捨てかよ…」
うんざりしたように酒を飲む彼に向き直る。
「それは良いの。総隊長に言われて来たなら追い返し方ちょっと辛辣過ぎたかなって」
「…俺の言い方も良くはなかったからな」
あくまで自身の非も認める様だ。