第4章 〜華奢〜
「や、やだなぁ、隊長。冗談ですよ、冗談!ね?玲、なんとか言って〜」
乱菊が割と本気で焦っている事を声音で読み取り、私は押し倒された身体を起こす。
「冬獅郎?なんで怒ってるの?」
出てくるのは疑問の言葉だけれど。
「…なんでって……あぁ」
何かを言い返そうとした彼が、何かを勝手に理解して、大きな溜息を吐いた。
それと同時に、怒気に反応していた冷気も霧散する。
気疲れしたように椅子に座る冬獅郎に首を傾げながら。
「ん〜と…、冬獅郎も行く?」
私の中で既に決定事項と化した飲み会に、彼も誘ってみると。
暫く何かを考える様な素振りを見せていた冬獅郎は渋々といった感じで頷いた。
その様子を見ていた乱菊が、冬獅郎に見えないようにガッツポーズをしていた。
乱菊、冬獅郎と飲みたかったのかな。
そんな風に思ってくすと笑うと
「あ、玲。今何か勘違いしてるでしょ?」
そんな風に詰め寄られて。
「冬獅郎と飲みたかったのかなって。あ、私邪魔だったら白哉のとこ…「「違うわよ(だろ)」」
言いかけた言葉を全力否定された。