第4章 〜華奢〜
自分に口止めしたくせに、やけにあっさり白状し、その上他の死神の霊圧を操作した彼女を見て、俺はよくわからない焦燥と恐怖に駆られた。
初めは誰だって良かったんじゃなかったのか、とか。
玲の自分への感情は、最初に会ったから只懐いているだけなのではないかとか。
そんな事を考えているうちに、隊主室の扉が開いて。
「玲!あんた死神として認められたのね!良かったわねぇ!」
そんな言葉と共に部屋へ飛び込んでくる松本と。
その後ろに付いてくる阿散井と檜佐木の姿が映った。
他の人の気配を感じてゆるりと目を開いた玲に、松本が飛び付く。
「あんたが死神じゃないなんて今日初めて知ったわよ?もう。どうして言ってくれなかったの?」
抱き締められながらぼうっとしている玲は、松本の言葉に首を傾げて。
「…死神?…私が?……いつ?」
そんな単語をゆっくりと溢した。
あぁ、寝惚けてるな、と理解したのは俺だけで。
松本は玲の様子に心配そうに眉を寄せる。
「どうしたの?玲、元気ないじゃない」
「…んぅ…後四半刻…」
そんな言葉と共に再び目を閉じようとした玲に、
「おい、お前霊圧上げられるだってな?」
そんな問いと共に、檜佐木が近付く。
度、琥珀の瞳をが開いて、奴を睨み付けた。
松本を引き剥がして、檜佐木を視線を真っ直ぐぶつける。