第3章 〜特別〜
私は言葉を選びながら話した。
調停者の在り方、異質過ぎる斬魄刀。
そして、冬獅郎と白哉の霊圧の変化について。
「…創造と破壊…成る程の。封じられるはずじゃ。して、其方の言葉をそのまま受け取るならば、ここに居る隊長達の霊圧を上げることも可能という事か?」
「魂魄は無意識に、自身や周囲に影響が及ばない様、それぞれの判断で霊圧を制限しています。
それを取り払う事が可能というだけで、私が霊力を譲渡する訳ではありません」
説明を補足すると、元柳斎は難しい顔をした。
「それは魂魄に悪影響は及ばぬのか」
「もう少し詳しく話すなら、十番隊隊長と六番隊隊長の制限を外す際、自滅にならぬ様、魂魄の補強はしています。普通に外すだけでは、塵になりますから」
もっと言えば、彼等の時は直接触れて霊力を同調させ、上がり幅を抑える事で、その後の負担も大分軽減させている。
けれど、それを全員に出来るほど、私は体力は無いから敢えて言わない。
成る程の、と頷いた総隊長が真剣そのものの瞳で私を見た。
「それを、ここに居る隊長達に施してはくれるか?」
その言葉に、冬獅郎が声を上げる。
恐らく彼は、私に負担がかかる事を知っているんだろう。
あの後、書類整理だけ終わらせて寝ちゃってたし。
くすりと小さく私は笑う。
残念ながら、私はそこまで優しくはない。