第3章 〜特別〜
「待っててやるよ。何年でも」
言い聞かせるように、自分に刻み込むように、呟くと、玲の瞳が不安気に揺れた。
「…うん」
何を不安に思っているのかは何となく分かる。
魂魄ですら無い此奴が、いつまでこうして触れられる形を保って、笑顔を向けてくれるのか、そんなこと分かるはずも無い。
けれど、それでもいいと思えた。
諦めているのではない。
もしも彼女が消え去りそうになっても、自分にあるすべての力を使って止める。
此奴と共にあれるのなら、どんな犠牲を払ったって構わない。
そんな決意を胸に抱いて。