第3章 〜特別〜
「ごめんね、あの人達に手を掴まれて、吐き気がした。びっくりしたの。目も合わせられなくて、気持ち悪くて。
でも、何で白哉や冬獅郎は平気なんだろって、考えてて」
「…そうか。少し休むか」
優しく髪を撫でてくれる手はやっぱり暖かくて。
頷くと、彼は近くの甘味処でゆっくり話を聞いてくれた。
こんな話、怒ったって不思議じゃないのに。
あんな奴らと一緒にするなって、声を荒げたって普通なのに。
彼はどうしてか酷く優しい瞳をして、私の話を聞いていた。
まだ、あの感情は分からないけれど。
一つ、分かったことがある。
彼等は私の中で、特別な存在なんだってこと。