• テキストサイズ

〜泡沫〜《BLEACH》

第2章 〜天賦〜



「此処を出て何処へ行く?」


部屋には帰らないだろうと思った。

今の此奴は、多分、自分の感情に戸惑っている。


「白哉のとこ…」


玲が最後まで言葉を紡ぐ前に、抱き締めていた。

行かせたくなかったから。


「ここで寝ろ」


「いいの?」


至近距離で見上げられると、理性が切れそうになる。

それをなんとか押し留めて、濡羽色の髪を撫でた。


「寂しいんだろ?」


「…うん」


一人になって、此処まで不安定になるのなら、昨夜は彼奴と寝たか。

じゃなきゃ辻褄が合わねぇな。

導き出した答えに苛立ちながらも、玲に悟られないように、無理矢理鎮める。


「冬獅郎?」


不思議そうに此方を見上げる此奴は、思ったより勘が鋭い。


「なんでもねぇよ。ほら、寝るぞ」


玲を解放して、ベッドに戻ると、後ろを大人しく付いてくる。

端に寄って寝転べば、すぐ側に擦り寄ってきて、俺は華奢な身体をまた抱き締めた。


/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp