第2章 〜天賦〜
そのまま町の料亭に連れて行ってもらって、美味しい食事を奢ってもらった。
普段は冬獅郎は自炊してるらしい。
意外すぎて笑ったら怒られた。
その後、隊舎に戻ってきて、部屋に案内される。
必需品は既に揃っていて、買わなきゃいけないのは着替えと消耗品くらいだった。
「じゃあな」
そう言って、冬獅郎が部屋を出て行くと、私はそこに一人になった。
ここ二日、常に誰かと居たからか、寂しさへの耐性が脆くなっている気がする。
心がどうしようもなく空虚なのは、どうすれば凌げるんだっけ。
一人に部屋を見て回りながら、そんな事を考える。
備え付けのシャワーを浴びて、浴衣に着替えて、けれどどうしても思い付かず。
ベッドに横になっても、全く眠くはならなくて。
霊圧を探ると、すぐ近くに冬獅郎の部屋がある。
結局寂しさに負けた私は、浴衣に着替えてから、冬獅郎の部屋へ向かった。