第2章 〜天賦〜
「瑞稀さん…天才ですか?!」
「え?天才は冬獅郎でしょ?」
「違います!どうして四半刻もしないうちにあれだけの書類を片付けられるんですか?!」
此処で、素直に情報処理能力が凄まじいからなんて答えられないことに気付く。
「…あ…ちょっと得意なだけだよ」
曖昧に濁した言葉に、雛森さんは不服そうに口を閉じる。
「ちょっと得意って…私なんてあの量一日掛かっても…」
そう言えば、五番隊って今隊長居ないんだっけ。
なんだか、凄く落ち込んでいる彼女を見兼ねて、口を挟む。
「あの…暇ができたら、手伝いに行きましょうか?」
「本当?!」
「あ、うん。冬獅郎か白哉に同伴頼むかもしれないけど」
まだ、見張りは解けていないため、勝手な約束は出来ないかとちらりと冬獅郎に視線を送ると。
「俺がついてる時に行けばいいだろ」
あっさりと許可が出た。