第2章 〜天賦〜
抑えていた冬獅郎の霊圧が乱れてきていることに焦りを感じて、現実逃避しているとも言う。
そろそろ口挟まなきゃまずいだろうか。
「だって…だって…それじゃシロちゃんじゃ無くなっちゃう…私の知ってる日番谷君じゃ無くなっちゃうんだもん…」
遂に泣き出した雛森さん。
ごめんね、冬獅郎。
やっぱり話振るんじゃなかったかも。
一抹の後悔を覚えながら、彼等に視線を移すと、冬獅郎が彼女の頭を撫でて慰めていた。
「お前は姿が変わったら心まで変わるって言うのか?記憶まで無くなるって言うのか?俺はお前との記憶はちゃんと覚えてる。
どんなに状況が変わっても幼馴染みには違いねぇだろ?」
優しくなった口調と、安心させるように選ばれる言葉。
なんでか、こっちまで胸が暖かくなる。
冬獅郎の霊圧も落ち着いて、懸念事項は無くなった。
じゃあ、執務でもしますか。
冬獅郎の方は大丈夫そうだから、乱菊の方を。