第2章 〜天賦〜
戻ってきた玲はひどく上機嫌だった。
「何かあったか?」
気になった白哉がそう問うと、玲は嬉しそうに砕蜂との事を話した。
そして、午後から松本にお誘いを受けたということも。
「…そうか」
凪いだ心に波紋が広がるのを自覚しながらも、白哉は顔色を変えずに彼女の話を聞いていた。
「うん!だから、午後から向こう行くね。あ、お茶入れてくるから待っててね」
「あぁ」
玲が隊主室の奥へ消えると、恋次が複雑そうな自然を送ってきていた。
「なんだ」
「いや…隊長、やけに彼奴を気にかけて…」
無駄口を叩こうとする恋次にすっと目を細めると、ぴたりと口を閉じる。
「…仕事するっス」
「黙ってしろ」
「…うっス」
そこへ盆を持った玲が戻ってくる。