第12章 〜化身〜
「白哉、使用人さん達、三日ほどこっちに呼べる?」
「食事か」
「うん。この人数のご飯用意するの、普通の人には難しいでしょ?食材は置いとくから、作ってくれる人、欲しくて」
もし当番制になんてしたら、その日当たった人は修行どころじゃなくなる。
今此処にいる人数は二十五人。
私じゃあるまいし、この人数分の食事を短時間で用意できる程手際が良い者など…約一名いる気はするが、頼むのは可哀想だ。
「分かった。手配する」
「ありがと」
ふわりと微笑んで、既にコントロールに必死になっている京楽や浮竹、卯ノ花を見遣る。
更木の周りでは、高頻度で暴発が起きているので誰も近寄らない。
やちるも偶に吹き飛んで居るけれど、意外とタフなのか、直ぐに起き上がって詠唱している。
その様子に、回復薬が必要と判断し、高い治癒効果のある薬を創造して小瓶に詰める。
「これは?」
「怪我を治す回復薬。卯ノ花さんに任せると彼女の修行にならないから」
頷いた白哉にそれを託して、近くの壁穴を開け、異空間を創造する。
「玲。大丈夫か?」
いつの間にか此方に来ていた冬獅郎に笑って頷き、私は其処へ足を踏み入れた。