第11章 〜予兆〜
「チッこの女、破壊閃一発まともに打てる霊力残しちゃいねぇ」
「てめぇ!玲じゃねぇな!彼奴に何しやがった!」
「はっ!此奴の心の乱れが大きくなったお陰で俺が出て来れたまで。まぁ、暴れんのは無理そうだがな」
「ならば戻れ。貴様は斬魄刀であろう」
「馬鹿言うなよ。俺は破壊の神。本来刀の形なんかとっちゃいねぇさ!」
彼等が霊圧をぶつけ合う中。
玲は精神体となって、肥大した月読の力を内側から読み取っていた。
「神だと?なら玲はなんだってんだ!」
「この女か?此奴は創造神と破壊神を宿す依り代。本来意思なんてねぇ唯の世界の欠片だ。それにてめぇらが心を与えたお陰で、俺は世界の意思を無視して此処に出て来れた。だから感謝してるぜ?てめぇらにはな!」
「成る程。彼奴が一人で寝るのを怖がるのはそういう事か」
「…俺らが心を与えたから、側に居ねぇと心が消えちまう、か」
四神封印。
精神世界でそれが発動し、水の龍、風の虎、火の鳥、土の亀が鎖となって彼女の身体を縛り付ける。
「チッ時間切れか…」
鎖に縛られた月読が諦めたように目を閉じる。
そうすれば、鎖は玲の身体に沈み込み、月読を精神世界に縛り付けた。