第11章 〜予兆〜
ぽふっと寝台に飛び込むと、月明かりで彼が意地悪気に笑ったのが見えた。
「そういえば、覚えてろって言ったよな?」
反射的に逃げようとするも、既に腕はしっかり掴まれていて。
「物覚え良すぎるのもどうかと思…んんっ」
反論する前に、息も出来ないほど深い口付けをされて。
力を奪われて、ぐったりと彼に寄り掛かる。
「意地悪」
「そうか?まだ加減してるぞ」
「…お願いだからそのままで居て」
「しょうがねぇな」
そんなやりとりにふと笑みが溢れて。
心が温かくなる。
氷の化身なんて斬魄刀の所持者だとは思えないくらい。
彼の側は心地良い。