第11章 〜予兆〜
「私が物語読みたいって思ったから、とか?天照、創った?」
—否。私はあなたの意志が無ければ創造は出来ません。
その返事で更に首を傾げた。
さっき触っても嫌な気配はなかったから、霊的な何が関わってるとも思えないのだけれど。
「ん〜…分かんないね」
「…見た限り、何も無さそうだが…読むのか?」
「ダメかな」
「いや、只、得体が知れねぇのは確かだぞ」
「まぁ、私も得体が知れないし」
「そういう事言ってんじゃねぇよ」
脱力した冬獅郎から洋書を受け取ってぱらぱらと捲る。
何処か、さっきと違う気がしたのは気のせいだろうか。
不思議に思っていると、冬獅郎が灯りを消したので、明日見ようと死覇装の上に置く。