第11章 〜予兆〜
「玲。風呂が沸いている」
「え、本当?入ってきていいの?」
「構わぬ。上がる頃に食事も出来よう」
「うん、分かった。じゃあお先に」
白哉に笑みを向けて、浴室へ足を向けようとすると、夜一が腰を上げた。
「ならば儂もお邪魔しようかの。ルキア、お主はどうする?」
「玲と一緒に、ですか?」
話を振られたルキアは何故か目を泳がせている。
「うん?ルキア、顔赤いよ?熱ある?」
「ね、熱など、無いが…」
ルキアが何故渋るのか分からなくて、首を傾げていると。
白哉が溜息交じりに呟いた。
「玲。止めておけ。襲われるぞ」
「襲われ…?誰に?」
更に分からなくなって首を傾げていると、夜一がルキアの側に寄って何か耳打ちした。
途端真っ赤になるルキアと、それが聞こえたのか、
「な…?てめぇら女だろうが!」
声を荒げる一護。
結局理解出来ないまま、夜一に言いくるめられて浴室まで来てしまった。
未だ何か葛藤しているルキアが気にはなるのだけれど。
私がお風呂の誘惑に勝てるはずもなく。
半分だけ上げていた髪留めを外し、髪結い紐で髪を縛って、死覇装を脱ぐ。
ルキアがよくわからない言葉を発していたけど気にしない。
「先、入ってるね」
そう一言掛けて風呂場に足を踏み入れた。