第11章 〜予兆〜
「…戦闘しか能が無い子供には分からぬ」
「んだと?!お前、玲さんを…!何てことしやがる!」
「私は何もしては居らぬ」
「嘘つけ!男と女が、ね、寝るってそういう事だろうが!」
「何を想像しておるのか知らぬが、兄が真っ赤になる様な事実は無い」
錯乱気味の代行に、白哉が面倒だとでも言いたげにため息を吐く。
横でルキアまで目を見開いていて、隣の夜一は面白そうににやにやと口元を緩めている。
気になったので情報を検索して…行き着いたのが性交。
成る程、種を残そうとする生物には必ず存在する本能的な物が私と白哉の間であるか無いかで問答しているらしい。
なら、話は簡単。
「代行さん。私に種は存在しない。つまり、存続する必要が無い。これで理解出来る?」
かちりと動きを止めた彼が、ぱちぱちと目を瞬かせて此方を見る。
「いや、あの。そういう問題?」
「違うの?」
私の中の情報では、種の存続の為の本能的な衝動としか出てこないのだけれど。
何か不備があるのだろうか。
「いや…もう良いです。つーか、代行さんは止めてくれ」
「黒崎一護?」
「一護で良い」
「そう?分かった」
そんな会話をしていると、白哉にくいと腕を引かれた。