第1章 〜欠片〜
「っ…はぁ…思うより、厳しい物だな…」
「大丈夫?」
本当なら気絶するぐらい辛いはず。
冬獅郎の時は先に気絶させちゃったから、判断基準にはならないのだけれど。
その後、彼は一刻半は起きなかったんだから、負担が掛かるのは確かなんだ。
「…案ずるな。そこまで柔ではない」
呼吸を整えた朽木さんの額からは、もう汗が引いていた。
けれど、次に反応を示したのは斬魄刀で。
光るそれに目をやっていた朽木さんは、無言で頷いて、刀を撫でた。
「…千本桜も、変化した?」
「…日番谷の時も何かあったのか」
「うん。強くなってた」
自分のことじゃないから詳しく話すのはなんだか気が引けて、大雑把に返す。
彼はそうか、と一つ頷いただけだった。
「…遅くなったが…風呂にするか」
「あ…うん!」
初めてのお風呂はすごく気持ち良くて。
逆上せるまで入ってしまって、朽木さんに怒られた。
髪留めを外した朽木さんの肩に掛かる髪が凄く綺麗で。
さらさらと触って遊んでいたら、布団に引きずり込まれて結局一緒に眠った。
疲れていて直ぐに意識が落ちてしまったから、彼が何か言っていた気がするけれどなんて言ったかはわからなかった。