• テキストサイズ

〜泡沫〜《BLEACH》

第10章 〜流転〜



「玲、何をした?」


「長話になりそうだったから、情報を直接記憶に書き込んでみた」


「相変わらず予想のつかぬ事をする」


「冬獅郎が可哀想だったから」


そんな会話を余所に、強制的に色々理解させられた一護はと言うと。

書き込まれた情報を上手く飲み込めずに頭を抱えていた。


「これ、大丈夫なのか?」


流石に憐れみを感じた冬獅郎が玲に視線を向ける。

が、ばっと立ち上がった一護が玲に頭を下げる方が先だった。


「玲さん!俺も、鍛えてくれ!」


必死の形相で頼み込む一護には、成る程情報は伝わったらしい。

でなければそんな発想には至らない筈だから。

けれど、玲は目の前のオレンジの髪をくしゃくしゃと撫でた。


「貴方は、先に抑えなきゃいけないものがある筈。そしてそれは、私より向いてる人が居るよ。今あるものをちゃんと制御出来たら、鍛えてあげる」


「あんた、何処まで知ってるんだ」


顔を上げた一護が、呆然と玲を見る。

けれど彼女はくすりと笑って。


「教えたでしょう?私は世界に生み出された調停者で、貴方たちは世界の一部。知らない筈がないでしょ?」


至極当然の事の様に紡がれる言葉は信じ難い。

けれど、酷く神秘的な容貌の彼女が語ると、何故かすんなりと納得してしまって。


「…分かった。アレを抑えるのに、あんたより向いてる人、探せば良いんだな」


そんな人物が居るとは到底思えなかったけれど。

玲が嘘を吐くとも思えなかった一護は、頷く他無かったのだった。

/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp